【バドミントンの話】リーチョンウェイのドーピング問題(2015年)
バドミントンマガジン掲載
(2015年1月、2月、6月)
Badzine(バドジン)という海外のバドミントンメディアサイトで記事を書き始め、ジャパンオープンや全日本総合の取材をしているうちに、バドミントンマガジンの取材班の方々とも情報交換を行うようになった。
そんなある日、バドミントンマガジンの方からの質問。
バ「最近、リーチョンウェイが試合に出てきませんねー。どうしたんですかね?」
私「今えらいことになってますよ~!」
ということで、その時のお話。
2014年のトマス杯辺りから足を負傷しながらも6月のジャパンオープン、インドネシアオープンと参戦していたチョンウェイ、7月は長期休暇を発表し、8月の世界選手権では準優勝。そして10月以降、試合に出てくることが無かった。
実は、この世界選手権でのドーピング検査で「陽性」反応が出たチョンウェイは、暫定的に国際大会の出場停止処分となっていた。
2016年のオリンピックで悲願の金メダルを目指しているチョンウェイにとって、金メダルところか五輪出場さえ危ぶまれる状況。
陽性反応が出た選手は通常2年間は出場停止となり、2年後というとオリンピックレースもオリンピックも終わっているんです。
「この情報がバドマガさんには届いてなかったのか!」という驚きとともに、「海外の情報を日本に伝えないと!」と勝手に使命感を燃やし、記事を書かせてもらうことになったのでした。
チョンウェイとはバドミントン界で仕事をする前に共通の知人の紹介で知り合い、バドミントンへの思いや恩人の話を聞いたり、彼女(今の奥さん)や母親を紹介してもらったり、街に出かけたりと、いろんなプライベートな部分も知る個人的に特別な選手。
「いやー、性格的にも立場的にも意図的なドーピングはありえないわー」と信じてたので、取材させてもらえて本当によかった。
何回徹夜作業をしたかは忘れたけど、調べ切って、文字数制限に苦しみながらも紙面でしっかり伝えられたと思う。(ほんとは紙面の3倍くらい原稿があったの。。。)
結果はというと、さまざまな状況を考慮した結果、ドーピング違反が故意とは考えにくく、不注意により体内に摂取されたとし、出場禁止機関の短縮(2年➡8か月)が適用された。
その結果、オリンピックレースも無事に終え、リオ五輪で銀メダル。
金メダルは取れなかったけど、リンダンからの五輪での初勝利、銀メダル獲得は立派すぎる。
★驚いたこと
外国からスポーツに関する法律に詳しい弁護士を雇ってまで、1人の選手を守るために協会や国が動いたこと。
★覚えた言葉
Cordyceps sinensis 冬虫夏草
今回のキーポイントとなった植物、英語どころか日本語も知らなかった。
★学んだこと
自分は気をつけていても、周りの環境次第で予期せぬ薬物が体内に入ってしまうことがある。
▼バドミントンマガジン(2015年1月、2月、6月)
学びが多い記事なので、お手元にあったら読んでみてねー。
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